今回のテーマは、
飲酒後に寒気が発生した理由と3つの対処法について。
お酒に強い人でも弱い人でも、空腹のところに飲酒したり、急に大量のお酒を飲んだりすると、寒くもないのに寒気や頭痛に襲われることがあります。
これは、実は体からのとても危険なサインです。
体が出しているサインは一体何なのか、どうしたら防ぐことができて、寒気から逃れることができるのかについてお伝えしていきます。
飲酒後の寒気が発生した原因は、アルコール中毒かも
普段まったくお酒を飲まない人が急にアルコール度数の高いお酒を飲むと、ややして寒気に襲われているのを見た経験はありませんか。
アルコールは、肝臓で分解されることはご存知と思いますが、飲酒量に分解速度が追いつかなくなる瞬間がやってきます。
お酒に強いと言われる人は、アルコールの分解酵素が豊富なのでその瞬間はかなりゆっくりめに訪れますが、分解酵素をあまり持っていない人がお酒に強い人と同じペースで飲酒すれば、その瞬間はずっと早くに訪れることは想像に難くないでしょう。
分解が追いつかない中で飲酒し続けると、体の中では様々な仕組みが悲鳴を上げるのです。
実はアルコールを代謝しているのは、肝臓だけではないのです。
消化器官が総動員でアルコールを代謝しているのですが、中でも影響を早い段階で受けるのは膵臓です。
膵臓と言えば、血糖値などを司っている臓器なのはご存知でしょう。
この、急激に飲酒することで起こってくるのが、「アルコール性低血糖」です。
その字の通り、血糖値が下がり過ぎてしまうことで起こる様々な不具合のことを言うのですが、これが実は急性アルコール中毒の最初の症状なのです。
怖いものだとなんとなくイメージはあるだろう急性アルコール中毒ですが、実際はどういうものなのでしょうか?
アルコール中毒とは?
「イッキ飲み」というものが盛んに行われていた時代があったのをご存知でしょうか?
学生のコンパなどでも行われていたので、多くの学生が緊急搬送され、中には亡くなる人も出たことで近年は「イッキ飲みはダメ!絶対」といったポスターが大学や居酒屋に貼られるようになりました。
イッキ飲みが禁止されるようになったのは、これが急性アルコール中毒を引き起こす要因に間違いないという見解が示されたからです。
では、急性アルコール中毒とはどういうものなのでしょうか。
・進行すると意識の混濁、吐き気、嘔吐、呼吸困難、低血圧の後意識の消失が起こる
・放置しておくと低血糖症状が進み、死に至る
よく、食べ物などに「あたる」という表現がされますが、急性アルコール中毒は「お酒にあたる」状態のことを言います。
食べ物にあたると嘔吐や下痢を繰り返し、発熱や意識の混濁はあれど悪いものが出てしまえば多くの場合生還できるのですが、酩酊状態だと水を飲んだり何かカロリーがあって血糖値を維持できるようなものを摂取することもできないので、いとも簡単に死に至るという恐ろしさがあります。
では、そこに至る前にどういった対処ができるでしょうか。
飲酒後に寒気が発生したときの3つの対処法
これまで、飲酒していて寒気を感じたらそれが急性アルコール中毒の初期段階だとお話してきました。
では、その段階で気づいた場合はどうしたらいいのでしょうか。
2) チーズや肉類などのたんぱく質や、温かい牛乳を適量摂る
3) できれば温かい毛布などを被って楽な姿勢で休む
まずは低血糖状態を脱し、血糖値を維持しながらアルコールの代謝を助けるような行動をすることが大事です。
アルコールを摂ることを中止して、体内のアルコール濃度を下げるように水分を多めに摂ることと、たんぱく質や乳製品で血糖値を維持すること、また体を休めることがそれにつながります。
それでも寒気がひどくなる場合は、もうすぐにでも病院を受診して点滴してもらうことをオススメします。
飲酒後に寒気が発生した理由と3つの対処法まとめ
飲酒後に寒気がすると、色々怖いことが起こってしまうということをお伝えしてきました。
おさらいをしましょう。
1)飲酒していて寒気がしてきたら、急性アルコール中毒の初期段階
2)寒気を感じたら、とにかくお酒を飲むのは中止する
3)カロリーのある果物ジュースかスポーツドリンクなどを多めに摂る
4)毛布などを被ってできるだけ楽な姿勢で休む
お酒は、肝臓だけでなく体全体に様々な影響を及ぼします。
自分のペースを守って飲むことができないということもありますね。
そうした時にも、「寒気がしたら死ぬかもしれない」くらいの気持ちで適切な対処のどれか一つでも取ることができるように祈っています。