アルコール依存症の治療に入院が必要な3つの症状とその理由




今回のテーマは、

アルコール依存症の治療に入院が必要な3つの症状とその理由について。

アルコール依存症の治療には、入院治療が必要不可欠であり、何故入院が必要なのかの理由についてお伝えします。

アルコール依存症を本気で治すには、「今の症状は入院による治療」が必要か不要かの判断が重要になってきますので、アルコール依存症の治療においては入院期間や必要とされる症状はどういったものなのかについて解説していきます。

アルコール依存症は克服するもの

お酒の太る飲み方と太らない飲み方の違いを知っていますか?

アルコール依存症は克服したけど、克服を継続していく為には、お酒は飲まないという周りの協力が必要となってきます。

アルコール依存症は完治しませんが、この「克服」という言葉が一般の人には「依存症はよくなったけれど、これからも努力が必要なのだ」という風に伝わりやすいのが現実ですので、克服をゴールとして、スタート地点に立ってみましょう。

アルコール依存症の治療に入院が必要な3つの症状

本当に太る理由はこの3つ

アルコール依存症の治療に、入院が必要となる状態の代表をあげてみましょう。

1) 深刻な身体依存による連続飲酒状態

アルコール依存症には、離脱症状というものがあり、離脱症状とは体内のアルコール濃度が薄れると手の震えが始まり、さらに悪化すると幻覚が見えてきます。

離脱症状を抑えるために酒を飲む

離脱症状が起こる

離脱症状を抑えるために酒を飲む

負のスパイラルです。

この状態を自力で治すのは非常に困難ですので、保護室に入るなどが必要になります。

2) 飲酒による肝機能の低下や糖尿病の発症など急激な身体的疾患の進行

アルコールを長期で摂り続けると、体のあちこちに不具合が起こります。

一般的にアルコール依存症になる人は肝臓が丈夫な場合が多いので、肝臓以外の臓器が悪化していきます。

胃潰瘍の人は吐血したり、膵炎の人は急性発作を起こしたりととても家では診られないので入院してアルコールを抜くことが必要です。

3)連続飲酒による認知機能の低下や抑うつ状態

アルコールを長期に過剰に摂り続けると、脳にも深刻なダメージが加わり、正常な判断ができなくなるだけでなく、抑うつ状態に陥り、自傷の危険が高まることもあります。

アルコール依存症の治療に入院が必要な理由

お酒を飲むと顔や全身がまだらに赤くなる理由

前述したように、アルコール依存症の治療には入院するべき症状がいくつもあります。

「入院は不要ではないのか」と言う患者さんも少なくはありませんが、入院しなくてはならない理由も同じくあるのです。

1) 体の休養のためにはアルコールを完全に体から抜く必要があること

身体依存で連続飲酒に入っていると自力でアルコールを抜くことはできません。

低栄養に陥っている可能性もありますので、先ずは体から完全にアルコールを抜き、栄養を補っていくことが必要です。

2) 家族や周囲の人が疲弊して本人を支えることができないため

家族と同居している場合、本人が飲酒を続けて時折暴れたりすることが家族にとって大変な負担となることは想像に難くありません。

その家族や周囲の人たちが疲弊して、精神的に追い詰められていくのを防ぐためにもご本人の入院は大きな意味を持ちます。

3) 家族関係の悪化により物理的な距離をとる必要がある

前述した家族の疲弊とも似ていますが、前述の場合は「心配でどうしたらいいのかわからない」といった心配や不安が一番の理由ですが、こちらの場合は「もう顔も見たくない」というような嫌悪感が理由となります。

これは心配と同じくらい多い理由で、「一緒に暮らしていると当人に対して殺意が芽生えてしまう」、という気持ちが芽生えてしまうご家族も実際には居てます。

治療を受けて回復への道を歩く時、家族の元に帰ることができるのか否か、できないにしても通院治療という物理的な距離がとれない状態ではお互いに正常な判断などできようもありません。

アルコール依存症の治療に入院が必要な3つの症状とその理由のまとめ

アルコール依存症の治療に入院が必要な3つの症状とその理由

アルコール依存症は、通院でも治療はできますが、身体的な状態が良好であり、治療意欲も高く、医療スタッフの指示を守ったり自助グループに必ず参加し続けられるという条件が整えばの話です。

アルコール依存症は、体への影響も大きければ、精神的にもうつに陥ったり、家族への負担も大きい病気です。

軽度であっても家族や自分の疲弊を癒すという意味でも、これからの長い回復への道を歩く準備をするという意味でも、入院という「お休み期間」は有効と言えます。

治療費のことなどネガティブな面もありますが、どうすれば自分たちがよりポジティブに回復の道を歩くことができるのかを、よく考えた上で入院という選択肢を検討すべきかと思います。